不動産投資と収益物件で資産運用

加藤 隆 第10回コラム-『損害保険の保険金額はどうする?』

「損害保険の保険金額はどうする?」

 

 最近、他の金融機関から、低金利・長期間への借換えの御提案があり、御陰様で、キャッシュフローが大幅に改善されましたが、その際、損害保険(火災保険・地震保険)の保険金受取に係る質権設定手続きも変更となります。通常は、損害保険契約はそのまま継続され、保険金受取に係る質権者が、旧債権者(金融機関)から新債権者(金融機関)に変更となります。損害保険の付保内容等が問題ないと判断されるからでしょう。

 

 通常、時間の経過とともに、建物は劣化していき、資産価値は下がっていくものです。その代り、修理等のリスクは高くなっていくでしょうが。新たな資材費・建設費等の観点でも、昨今のような不景気でデフレ下にあっては、下がっていくものです。(アベノミクスミニミニバブルでは、若干上がっているのかも知れませんが。)

 ところで、この保険金額というのは、通常、誰がどういった基準で決めているものなのでしょうか?勿論、最終的には、物件の所有者・損害保険契約者が署名捺印しているのでしょうが、通常は、不動産会社・金融機関と損害保険会社が話し、損害保険会社がシミュレーション・見積もりをし、提案してきます。実質的には、金融機関が、その保険金受取に質権設定しますので、金融機関が、必要最低限のラインは要求してくるものです。リコース(訴求型)ローン、購入物件担保・別件物件共同担保、連帯保証・連帯債務等、リスクを取ろうとしない金融機関としては、火災・地震等の際もリスクは取ろうとしませんので、そういうことなのでしょう。

 ということで、実質的には、金融機関が決めている感じです。そもそも、損害保険会社も、司法書士同様、金融機関の提携先を紹介され、そこを使ってくれと頼まれます。強いて言えば、複数ある損害保険会社の中から、保険付保内容・保険料が若干異なる程度で、選択する余地がある程度です。

 細かな漏水・ボヤ程度であれば修理で済みますが、大規模な火災・地震で、全焼・全壊となるようなことであれば、問題です。(木造と違って、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造りであれば、リスクは低いかとは思われますが。)

 その場合、建物の現状の(劣化・減価償却を考慮した残存)実質的価値を考慮するという考え方もありますが、実際問題、通常、建物は耐用年数以上持ちますし、そもそも、耐用年数を経過している築古の場合には価値がゼロということとなってしまいます。

 次いで、建物の建築費(資材費・人件費等)等をも考慮した再調達価格を考慮する方法です。あとは、その物件自体が全滅し、残った土地も、当面ニチメン活用できない場合、全く別個に、同等の不動産(土地・建物)を購入したらという考え方です。

 現実には、諸経費(古い不動産の修理・撤去費用・売却費用、新しい不動産の購入諸経費等)もかかりますから、同等の不動産の再調達価格+諸経費分をカバーできて、初めてトントンというくらいでしょうか。

 もっと言えば、入居者に対する敷金返却・引越費用・新居入居費用・見舞金(所有者に耐震対策・地震対策等不備があれば、入居者に対する損害賠償責任も発生することもあります。)等も必要となってくるでしょう。新しい物件を調達するにせよ、空室・フリーレント時の家賃無し、家賃下落・広告費等も資金繰りにはきいてきます。(但し、失火責任法によって、近隣家屋等の第三者に対する損害賠償責任は免除されることとなっています。逆に言えば、貰い火は、損害賠償請求できないこととなります。)保険金額が増えれば、当然、保険料も増えるもので、費用対効果をも考慮することが必要となります。

 尚、地震の際は、地震保険がありますが、これは、完全にはリスクをカバーすることはできませんので、注意が必要です。地震保険は査定が厳しく、柱が数本残っていても駄目で、全壊でないと保険金が下りないとも言われていました。(昨今の大地震では、被害者救済という政府の方針もあってか、緩和されているようですが。)

 又、火災保険の特約として、通常、火災保険金額の半額迄とか、5,000万円迄とか、上限が決まっています。そもそも、首都圏の大震災であれば、日本どころか、世界の金融市場はおかしくなり、世界恐慌にまでなるやも知れません。いくら保険会社が再保険付保しているとは言え、保険会社自体が、保険金を支払えるのかも、個人的には疑問なしとしません。(不景気な時には、保険金不払いも散見されました。)その割には、地震保険は、保険料が割高なので、費用対効果も考えるべきかと思います。

【まとめ】

損害保険については、通常、不動産会社・金融機関等の提案主導となりますが、自分自身でも、付保対象の中身・保険期間・保険金額等についても、みてみましょう。

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加藤 隆

1982年(23歳)
サラリーマン。経済的・時間的・精神的自立を目指して、各種資格取得・資産運用(預貯金・外国為替・貴金属・株)を開始。

1986年(28歳)
不動産経営開始。新築区分所有マンション(東長崎)、中古区分所有マンション(上北沢・博多・千歳烏山・初台)購入。バブル。

1990年(32歳)
バブル崩壊。札幌・東京中古区分所有マンションを購入。

2005年(47歳)
博多・名古屋駅傍に一棟物木造アパート新築(ノンリコース(不遡及)型ローン)。
システム監査関連出版開始。

2008年(50歳)
不動産経営関連出版開始。
名古屋駅傍に一棟物木造アパート新築。サブプライムローン破綻・リーマンショック。

2013年(55歳)
アベノミクス。名古屋駅傍・永福町方南町駅傍中古一棟物鉄骨造アパート購入。京都駅傍中古一棟物鉄骨造マンション購入。

2015年(57歳)
小樽駅傍中古一戸建て(完全2世帯用)購入。
現在100戸。

【所有資格】
行政書士、宅地建物取引士、甲種防火管理者、管理業務主任者、マンション管理士、AFP(Affiliated Financial Planner)、2級FP技能士、システム監査技術者等

【不動産経営概要】
資産637百万円―負債449百万円=自己資本188百万円
年:家賃(諸経費引後)43百万円―ローン31百万円=手取12百万円

【所有物件】
■合計:100戸
■物件種別 :区分所有マンション:21戸、一戸建て:2棟3戸、一棟アパート:5棟40戸、一棟マンション1棟36戸、
■地域別:東京13戸、博多10戸、札幌14戸、名古屋25戸、京都36戸、小樽2戸

バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家。
所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。
不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。

「サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴30年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件100戸を運営。総資産6億円・借入金4億円・自己資本2億円、年間家賃収入43百万円・借入金返済31百万円・キャッシュフロー12百万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。」

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